2015年12月28日月曜日

三沢市内にマエダストアが建設中

三沢市南山にマエダストアが絶賛建設中。
市役所通りを浜方面に進み、ローソンがある交差点を通った時に工事現場があった。
何の工事かと車を停めてみると、なんとマエダが出店すると書いてあるではないか。
工事の規模をみると、マエダストア単体の出店ではなく、ショッピングモールになるのではないかと期待してしまうほど。
マエダは三沢市内は初出店であるが、三沢市に接するおいらせ町の北端にマエダモールがあり、三沢市民の多くも利用していると思われる。
それに加えて三沢店も開店するとなれば、三沢市でのマエダの存在感はより大きくなるであろう。
マエダストア三沢店は三沢市最東端のスーパーマーケットとなる。
利用範囲は三沢浜通りの農村地帯と前平・堀口のニュータウン、空港周辺の住民と、相当な世帯数になると思われる。

2015年12月27日日曜日

勝手に区名改変―札幌市編


札幌市は現在10区から形成されている。
東西南北・中央の方角区名と、手稲・白石・厚別・豊平・清田の中心地名区名がある。
完全に私の趣味であるが、より生活実態に即した区名を追い求め、考えていきたい。

http://www.jamgis.jp/jam_sapporo/jsp/lite/image/index_sapporo_1.png
 (札幌市都市計画情報提供サービスより)



中央区

大通公園やすすきのが立地する名実ともに札幌の中央に君臨する区である。また、大倉山・宮の森のジャンプ競技場や、ばんけいスキー場、ノベルマウンテンパーク(旧コバランドスキー場)のある森林地帯も有する。スキーができる中央区(Central ward)は世界的にも札幌にしかなさそうである。「中央区」という区名は札幌のほかにも、さいたま、東京、千葉、相模原、新潟、大阪、神戸、福岡、熊本にあり、ありがちな区名である。正直なところ、中央区以外に候補がないが、あえて改変するとすれば「大通区」がふさわしいだろう。しかし、中央区の南半分を占める旧山鼻村域を無視した区名であるため、住民から不満が出るに違いない。

西区

札幌市西部の商業地である琴似に区役所を置き、発寒の工業団地や西野・平和・福井の郊外住宅地を区域に含む。改変区名はやはり「琴似区」しかありえない。札幌市内で最初に屯田兵村が置かれた琴似は歴史的に重要な地名である。かつて地下鉄東西線の終点であった頃に比べ、東西線宮の沢延伸後は琴似の拠点性は小さくなってしまったが、それでも区内全域からバス路線が地下鉄琴似駅まで設定され、JR琴似駅周辺の開発が盛んに進められている現状は軽視できない。札幌市郊外では数少ない商店街が形成されているのもここでは考慮したい。地下鉄琴似駅とJR琴似駅は1km弱離れており、その間は大変賑やかな商店街となっている。保護を訴えるだけの役割を終えた商店街などではまるでなく、勢いのある必要とされる商店街である。ところで、16連射の高橋名人(琴似出身)がいつ名誉区民になるかは私のかすかな関心事である。

北区

札幌の表玄関である札幌駅は北区に位置する。中央区との境界はJR函館線の南側に沿って走っており、東区との境界は創成川に沿っている。北○条西○丁目の大半が北区である。北24条と麻生が中心市街地で、新琴似・新川・篠路・屯田、さらに札幌北端のニュータウンであるあいの里までが区域であり、一般のイメージより区域が広いと思われる。八軒と太平を除いたJR学園都市線とさっぽろ以北の地下鉄南北線の利用範囲が北区と定義できよう。なお、北海道大学は北区に属する。広い区域のためにやはり北区が最適な区名と思われるが、私は「麻生区」「篠路区」を提案したい。麻生は製麻工場が置かれた地である事に由来し、地下鉄南北線の終点もあり、よく知られた地名である。区内各方面へのバスが発着し、石狩市への玄関口へもあり、大変栄えている。篠路神社が置かれる篠路地区は今でこそ郊外住宅地としての性格が強いが、江戸期には交易場所のシノロ場所が置かれ、明治維新後も篠路村として中心性が強かった。

東区

JR苗穂工場、丘珠空港、札幌運輸支局があり、交通関係施設が多く存在する。野外芸術で注目されているモエレ沼公園も東区である。実は東区域は旧札幌村域とほぼ一致している。「札幌」地名発祥の地である。北13条東16丁目付近(地下鉄環状通東駅付近)が札幌村の中心であったようである。なお、地名の発祥はこちらであるが、開拓の中心は現在の中央区大通地区であり、地名を盗られたかたちになっている。改変区名は「札幌区」「伏古(伏籠)区」を挙げたい。東区には札幌村開拓の歴史と共にあった伏古(伏籠)川が流れており、それを区名に付けることで単なる方角地名では拾いきれない地域の歴史を区名に託すことができる。川の流れは偉大なのである。

南区

1972年の札幌五輪の競技場や選手村などの関連施設が集中しているのが南区である。地下鉄南北線の終点、真駒内駅付近が区の中心で、川沿や藤野にも商業施設の集積が見られる。定山渓温泉も豊平峡ダムも中山峠も芸術の森も空沼岳も滝野すずらん丘陵公園も南区に属する。札幌の区では面積が飛び抜けているのが特徴的である。南北線の駅では澄川、自衛隊前、真駒内が南区である。区域は豊平川水系の上流部と捉えてよいだろう。南区から区名を変えるとすれば「豊平川区」しかないと思う。川沿・真駒内・石山・藤野・簾舞・定山渓と豊平川沿いに街が連なる様は「豊平川区」の名にふさわしい。ただし、紛らわしいことに、「豊平区」が現実には南区の北東に別にある。そのため、次点で「真駒内区」を挙げたいが、これはインパクトに欠けてしまう。

豊平区

札幌市の南東部、中央区と豊平川を境に接するのが豊平区である。トヨヒラの名はアイヌ語の「トイエ・ビラ」(崩れた・崖)に由来する。崖を意味する「ビラ」に漢字の「平」が当てられてしまったのはアイヌ語と日本語の乖離を示しているようで興味深い。豊平川右岸の河成段丘に位置する。1961年まで存在した旧豊平町の町域東半分が区域である。豊平の国道36号線沿いと地下鉄駅のある平岸・福住に商業施設が多く立地する。中央区外に唯一本社を置くテレビ局、HBCは地下鉄南平岸駅前に位置し、隣接する平岸高台公園はテレビ撮影で使用され、道外でもそれなりに知られている。札幌ドームも豊平区である。千歳新道の開通後に発展してきた国道36号線沿いの豊平地区(地下鉄東豊線エリア)と、地下鉄南北線の開通後宅地化が急速に進んだ平岸地区(地下鉄南北線エリア)で二分されているように見える。旧豊平町は豊平村・平岸村・月寒村が合併してできた町であった。その後、札幌市豊平区となった現在に至るまで、平岸・月寒の名は町丁名に留まっている。区名の代替案としては「羊ケ丘区」、これしかないだろう。羊ケ丘展望台は豊平区内にあり、区内南東部の広大な敷地に置かれる北海道農業研究センターを望む風景とクラーク像はあまりにも有名である。これといった中心地をもたない豊平区は旧村名の豊平・平岸・月寒を使わずに、「羊ケ丘」を使えば良いのである。なお、「羊ケ丘」の「ケ」は大文字(カタカナのケ)が正しい表記である。

手稲区、清田区、厚別区、白石区については、適切な区名が思い付かないので割愛する。

勝手に区名改変―札幌市編

2015年12月5日土曜日

青森県のスーパーマーケットの立地



 青森県に住み始めて2年目の冬となった。県内を車で出歩くことが好きな私は、南部津軽下北を問わずに様々な町並みを見てきた。ドライブをしながらふと思っていたのは、スーパーマーケットを展開するチェーンの地域性である。津軽に行けば南部ではあまりないさとちょうが見え、下北に行けばどの町にもマエダがあるといった具合である。各チェーンの店舗立地を地図に落としてみたいと思いつき、地図化してみた。店舗のデータはiタウンぺ―ジでスーパーマーケットに分類されていたものを収集した。

 上の地図には青森県内にスーパーマーケット店舗数上位4社の店舗立地を示している。上位4社とは以下の通りである。マックスバリュやザ・ビッグのブランドを全国に展開しているイオン以外は青森県を地盤とするローカル勢が健闘している。
  
  ユニバース(35店舗)
  イオン(30店舗)
  マエダ(21店舗)
  佐藤長(21店舗)

 それぞれのチェーンを細かく見ていきたい。なお、文中の地域区分は下の図による。

http://aomori-ritti-guide.jp/06_bukken/image/map.gif


商号:株式会社ユニバース
店舗数:54店(青森・岩手・秋田)
青森県内店舗:34店(三八12店、中弘南黒8店、東青7店、上十三6店、西北五1店、下北1店)
本社:青森県八戸市大字長苗代字前田83-1
ブランド:ユニバース、Uマート、パワーズU
ホームページ:http://www.universe.co.jp/ 

青森県下最大のスーパーマーケットチェーンである。県内の店舗立地は三八地域が最多であるが、人口の多い中弘南黒、東青にも着実に地盤を形成している。県内全地方に立地しているのは特記すべき点であろう。また、青森、八戸、弘前、十和田、三沢、むつ、五所川原、黒石の八大都市(平成の大合併前に市制)に全て店舗を置いている。県民誰もが一度は目にしたことのあるスーパーと言える。創業の地であり且つ本社所在地の八戸市には市町村別で最多の10店が立地している。2011年に北海道最大のスーパーマーケットチェーンであるアークスの傘下に入った。アークスは岩手のジョイスやベルプラスをも子会社化し、北海道・北東北最大のスーパーチェーンへと成長している。なお、県内ではマエダと共にCGCグループに加盟している。ちなみに三沢市民の私は松園町店と三沢堀口店を頻繁に利用している。


商号:イオンリテール株式会社、マックスバリュ東北株式会社、イオンスーパーセンター株式会社
店舗数:545店(イオンリテール公式サイトの表記)
青森県内店舗:30店(中弘南黒8店、東青7店、上十三7店、西北五5店、三八3店)
本社:千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1(イオンリテール株式会社)
ブランド:イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ等
ホームページ:http://www.aeonretail.jp/index.htmlhttp://www.aeonretail.jp/index.htmlhttp://www.aeonsupercenter.co.jp/

言わずと知れた日本最大の小売企業群のイオングループである。日本全国津々浦々に店舗を展開するイオングループは、やはり青森においても大きな存在感を放っている。下田、つがる柏のイオンモール、青森のサンロードなど大規模商業施設の核テナントもあれば、食品専科のマックスバリュもあり、幅広い店舗展開となっている。王者のイオングループも下北エリアに進出していないのは驚きである。下北に流通網を構築するには後発過ぎたのかもしれない。

商号:株式会社マエダ
店舗数:27店
青森県内店舗:27店(下北8店、東青7店、上十三6店、西北五5店,、三八1店)
本社:青森県むつ市小川町2丁目4番8号
ブランド:マエダ、マエダストア、生鮮館
ホームページ:http://www.i-maeda.co.jp/

下北発祥のスーパーマーケットで、青森県内にのみ店舗を置く青森密着型の経営が店舗立地から見て取れる。なかでも下北半島では、マエダが8店、さとちょうが2店舗、ユニバースが1店舗と独占状態である。むつではマエダ本店が百貨店のような役割を持ち、商業の中心として機能している。既存の小売企業を吸収しながら、津軽、上十三方面にも営業エリアを広げている。店舗数で下北地域と東青地域では1店しか差がないのは特記すべきであろう。他の小売チェーンの流通網から外れている下北地域で早い段階から確かな地盤を築き上げ、じわりじわりと他地域へ進出しているように見える。県内で唯一未進出の中弘南黒地域への出店も今後見られるかもしれない。また、本店(むつ市)、川内店(むつ市川内)、木造店(つがる市木造)の3店では、無料の買い物バスを運行し、高齢化著しい青森県の中でのビジネスモデルを模索している。
商号:株式会社佐藤長
店舗数:21店
青森県内店舗:21店(中弘南黒13店、西北五4店、下北2店、東青1店、上十三1店)
本社:青森県弘前市大字松森町93
ブランド:さとちょう
ホームページ:http://satoucho.co.jp/index.html 

津軽地方に特化したチェーンである。弘前市で創業した後、イオン資本のウェルスーパーの津軽地方の店舗を譲り受け、事業を拡大してきた。弘前・五所川原を中心に事業を行なってきたが、2011年にむつ市に2店舗、2015年に上北郡七戸町に1店舗を飛び地のように出店している。次の新店舗も南部側になるのか、今後の展望が気になる。なお、東青地域の1店舗は旧南津軽郡浪岡町内であり、実質中弘南黒は14店とカウントしても良いだろう。

上述のようにチェーン毎にまとめてみると、各チェーンの特徴が掴めるだろう。外資系(青森県外という意味で)のイオンは県内の地域に偏りなく立地が見られる。その他のローカルチェーンは本社所在地を中心としながらも、他の地域に積極的に進出している様子が見て取れる。しかし、それでも各地域内での地盤は従来チェーンが強固であり、南部のユニバース、津軽のさとちょう、下北のマエダが強く、青森市では各チェーンが激しく競い合っているように見える。
青森県のスーパーマーケットの立地|地理・地形・地名についての備忘録


2015年11月20日金曜日

ご存じあろうか、東北観光フリーパス

ご存じあろうか、東北観光フリーパス|地理・地形・地名についての備忘録
  2015東北観光フリーパスはNEXCO東日本(東日本高速道路)が販売している高速道路版の乗り放題きっぷのような商品である。青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島の東北6県内の高速道路が2日間、または3日間乗り降り自由で定額料金となる。利用期間は2015年10月2日から12月21日までの土祝休日とその前後1日。インターネットで事前申込が必要であるが、旅行当日のETCゲートをくぐる直前でも構わない。
 この商品には4種類あり、東北6県内のみを走行する人向けの「東北周遊プラン」、関東からの来訪者向けに、福島県の白河IC・いわき勿来ICまでの往復がセットになった「首都圏出発プラン」「北関東出発プラン」「東関東出発プラン」のラインナップとなっている。
 利用料金は「東北周遊プラン」の2日間が普通車7,500円(軽自動車等6,000円)、3日間が普通車8,500円(軽自動車等6,500円)である。

 一例として、「東北周遊プラン」を普通車で仙台宮城ICを起点とした場合に、どこまで行けば往復のみで元が取れるのかを調べてみた。2日間利用であれば3,750円、3日間利用であれば4,250円が損益分岐点となる。なお、土祝休日がメインの利用になると思われるので、ETC休日割引料金との比較とする。

  2日間利用:東北道安代IC、八戸道浄法寺IC、秋田道秋田南IC、日東道秋田空港IC
  3日間利用:東北道十和田IC、八戸道九戸IC、秋田道昭和男鹿半島IC

 こう見ると、3日間利用では青森県全域、秋田県大館、能代、男鹿、由利本荘方面、岩手県久慈方面、2日間利用だと更に秋田市、鹿角市、二戸市が入ってくる。青森県と秋田県では大きな需要がありそうである。片道距離では2日間利用が240km、3日間利用が260kmが損益分岐点の目安になる。
 
 勤労感謝の日の3連休を使ってマイカーでの山形・福島旅行をする。「東北周遊プラン」を利用して、下田百石ICより南下していくつもりである。なお、下田百石ICからの損益分岐点(上述条件と同様)は、2日間が東北道若柳金成IC、秋田道横手IC、3日間が東北道長者原SA(ICでは古川)、秋田道協和ICである。

詳しくはNEXCO東日本のサイトを見てほしい。

2015東北観光フリーパス

2015年11月18日水曜日

エネルギー業界のCM~ガス小売全面自由化に向けて

エネルギー業界のCM~ガス小売全面自由化に向けて|地理・地形・地名についての備忘録    エネルギー業界の大きな転換期である小売全面自由化が目前に迫ってきている。電力は2016年4月、都市ガスはその1年後の2017年4月に、一般家庭も含めて全ての契約で好きな事業者から購入できるようになる。東京電力や大阪ガスのような“地域独占”の企業でなくとも、電気・ガスの供給を受ける事が出来たのである。なお、既に工場や商業施設などのいわゆる大口需要家(電力:契約容量50kW以上、ガス:年間契約数量10万m3以上)については、電力・ガスともに自由化されている。
 小売全面自由化では、域外への進出だけではなく、大手電力会社がガス小売に、都市ガス会社が電力小売に参入する動きが出ている。電力会社は火力発電用のLNGを流用すればガス供給が比較的容易であり、電力とガスのセット販売は商品として魅力的なものである。顧客の流出を防ぐだけには留まらず、売上増加に向けて電力会社、都市ガス会社ともに、営業活動が活況を呈している。
 電気もガスも会社によって品質が変わるという事は基本的にはない。消費者の選択を受けるためには低廉な価格やメニュー設定は当然のこととして、企業イメージやブランド力が大きく関わると調査結果が出ている(博報堂エネルギーマーケティング推進室第5回生活者調査「電力小売自由化について」(PDF))。メニューについては未だ見えない部分が多い。今回は大手ガス会社の広報戦略、特にTVCMについて触れてみたい。
 
 ≪東京ガス≫ 現供給エリア:関東一円(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)
 http://tv.tokyo-gas.co.jp/
 ガスの温かみを感じるようなストーリーCMと、エネファームの普及促進を狙ったCMが放映されている。また、広瀬すずと妻夫木聡が東京ガスのコーポレートスローガン「あなたとずっと、今日よりもっと」にまつわる語りだけを用いたCMもある。こちらはガスの利用促進ではなく、明らかに電力自由化を見据えた企業CMである。今を時めく広瀬すずの起用には資金力の強さを見せつけられるようである。流石は世界最大の都市ガス会社。あまり女性受けしそうになく、誰もが知っているわけではないが限られた年齢層に知名度が抜群である広瀬すずの起用はエネルギー会社として冒険に出たと言えよう。「「ピピッとコンロ 似ている母娘(WEB限定)」篇」では、娘役の広瀬すずが父親に手料理を楽しそうに作る姿が、母親と重なって見える構成となっている。あざとさが垣間見れるも父親心をくすぐられてしまう、なんとも憎らしい広瀬すずを見る事ができる。美味そうなグリル料理である。思わずネットでサクサクとスイッチングの手続きをしてしまいそうになるほど、訴求力の強いCMである。
 ちなみに、2015年11月の時点でHPのトップに電力小売についてのバナーがあるのには驚いた。
 
 ≪東邦ガス≫ 現供給エリア:東海三県(愛知・三重・岐阜)
 http://www.tohogas.co.jp/corporate/publicity/program/cm/
 料理研究家の栗原はるみを起用し、ガスで作る料理のおいしさを表現している。 東京ガスと同様、エネファームのCMもある。東京ガスほどガツガツしたCMではなく、保守的な企業なのだとの印象を受けた。
 私感ではあるが、やはり料理風景の見栄えではIHよりガスコンロの方がいい。火のぬくもりを感じられ、いま料理をしているのだという実感が得られる。火とは、熱源とは本来霊的な側面があるのである。

 ≪大阪ガス≫ 現供給エリア:近畿一円(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)
 http://home.osakagas.co.jp/cm_lib/index.html
 CM女王の上戸彩、高学歴芸人のロザンが出演している。上戸彩の起用には広報活動への本気度が表れているように感じる。110年という歴史を強調したCMは安定供給を第一とするエネルギー企業らしい。東京ガスや東邦ガスに比べ、浴室暖房機やガス冷暖房機の商品説明のようなCMを制作しているのが興味深い。CMギャラリーを見る限りでは、上述の2社よりCMの種類が多い。
 
 なお、ガス会社のCMは他社が制作したCMに社名だけを入れ替えたものや、日本ガス協会のコンセプトワード「ガ、スマート!」を使用した共通のCMがあるようである。
 
 
 

2015年11月14日土曜日

うみねこ号(八戸~仙台)乗車記

うみねこ号(八戸~仙台)乗車記|地理・地形・地名についての備忘録
 仙台で急用ができたが、金欠で新幹線に乗れない…。そこで、三沢から仙台への最安移動手段である“うみねこ号”を利用してみることにした。
  1日3往復とうみねこ号の運行本数は少ないので要注意。八戸ラピア発は7:40、8:40、15:00、仙台駅発は8:30、15:10、17:00である(2015.11現在)。仙台側の停留所は「仙台駅東口」のみ。八戸側は、「ラピアバスターミナル」「本八戸駅」「中心街ターミナル(上り:六日町)(下り:三日町)」「馬場」「八戸インター」と、市街地ではこまめに停車する。
 料金は大人片道4,900円、往復割引8,400円である。
 なお、所要時間は冬季が4時間40分、その他季は4時間25分。
 三沢市内から車で50分、八戸市最大のショッピングセンターラピアに到着。三沢からラピアだと第2みちのく有料道路利用でも国道338号経由でも大差ないように思える。金欠ということで私は下道を選択した。
 高速バス利用者はラピア営業時間外に跨がる駐車であっても、裏手にある第1駐車場であれば車を利用できる 。ラピアインフォメーションカウンター(※バス案内所とは別!)で手続きをし、交付される駐車許可証をダッシュボードに置けばよい。カウンターと駐車場を往復することになるので、バス出発の20分前には手続きを済ませておきたい。
 そして15:00発のバスに乗り込んだ。始発のラピアでは乗客は5人だったが、本八戸駅で4人、六日町で3人増え、計12人となった。利用したのは土曜日だったので、想像以上の利用客の少なさに驚いた。朝の便だともう少し混んでいるのだろうか。乗車時に運転手から座席を指定され、前方より隙間なく座らせれる。後ろはガラガラなのに、と理不尽であったが、八戸側最後の八戸インター停留所で乗客数が確定すると、席の移動が解禁された。トラブルを避けるように考えられたシステムなのだろう。50人乗りのバスで乗客は皆悠々とリクライニングを倒していた。
 岩手山SAと前沢SAで休憩がある。10分程度だが、北東北では大きめのSAに停まってくれるのはありがたい。
 八戸ラピアを出て1時間40分後に岩手山SAで休憩、2時間10分ほどで盛岡市街が車窓に現れ、3時間後に前沢SAで再度休憩し、仙台へと向かっていった。
 気になった点は、①多くの高速バスが停まる広瀬通一番町を通過すること(バス停の目の前を通るのに)。仙台駅東口に降ろされると地下鉄乗り換えが不便である。②ラピアの駐車場利用方法が煩雑なこと。インフォメーションカウンターまで一度行かなければならないのは明らかにタイムロス。電話による事前予約やバス利用者専用駐車スペースを設けてもよいのではないか。

2015年11月11日水曜日

驚きのコスパ!A-FACTORY内の「黒まぐろ」

驚きのコスパ!A-FACTORY内の「黒まぐろ」|地理・地形・地名にについての備忘録


青森市への出張があり、青い森鉄道利用の私は青森駅前でランチできるところがないか探してみると、A-FACTOFY内の黒まぐろという店で寿司バイキングが1000円で食べられるとの口コミを発見!
普段は駅前の吉野家で済ますが、寿司バイキングを見つけてしまった以上これは行くしかないと、仲の良い同期と共に訪れてみた。
A-FACTORYの奥(海側)にあるイートインスペースに「黒まぐろ」がある。
2015年11月時点では寿司だけでなく十和田豚のしゃぶしゃぶ食べ放題もついて1000円で提供されていた。
11:40頃に店を訪れると既に行列が(といっても2組だけだが)。
お客さんの顔ぶれを見ると観光客と地元民と半々と思われた。
12:30に店を出る時には6組ほどの行列になっていた。
25席ほどのカウンターの店で、短めな制限時間もあって回転は早い。
10分ほど待ち、案内された席に座る。
水やお吸い物、ガリはセルフサービスになっている。
この店のシステムは寿司10貫、豚しゃぶ1皿(100gほど)が各人に渡され、それを完食し次第追加でオーダーできるというもの。
時間制限は45分間である。
「黒まぐろ」という店名の通り、マグロの握りが驚くほど旨い。
イカや〆サバもあり、まさに青森の海の幸といったところ。
豚しゃぶもスーパーではなかなか手が届かない価格の十和田豚ということで、旨味を感じる肉であった。甘い。
開始5分でノルマをたいらげ、豚しゃぶと寿司をおかわり。
豚しゃぶは肉を受け取りに行き、寿司は
10種類ほどのネタの中から自分な好きなネタをオーダーする。
私は迷わずマグロ、イカ、〆サバをオーダー。とくにマグロが旨い、旨すぎる…。
追加オーダーもペロリと平らげ、開始30分でお腹いっぱい。
雑なにぎりでなく、しっかりと美味しい寿司である。
1000円でこれほどの満足が得られるのであろうかと噛み締めながら、満面の笑みで仕事に向かった。
幸せな昼食。
店名:黒まぐろ
場所:青森市柳川1-4-2(A-FACTORY内、青森駅より徒歩1分)
※寿司バイキングは11:00~13:15LO

2015年11月9日月曜日

六戸温泉(上北郡六戸町)

六戸温泉(上北郡六戸町)

営業時間:8:00-22:00
駐車場:あり(30台ほど)
料金:300円
泉質:弱食塩泉、単純泉
浴槽:3つ(弱食塩泉1、単純泉1、弱食塩泉水風呂1)
サウナ:なし
露天風呂:なし
水風呂:あり
かけ湯:あり
打たせ湯:あり
寝湯:なし
浴場内の寝っころがりスペース:なし
貴重品ロッカー:100円
シャワー:固定型湯温調整不可
蛇口:温・冷2本
ケロリン:ケロリン!

メモ:
六戸町の中心部に食塩泉があるとネットで見つけて早速訪れてみた。
どこか懐かしい銭湯チックな佇まい。
旅館の大浴場を日帰り開放しているような形をとっている。(メインは日帰り客な気がするが)
浴場に入ると、まさかの関西式の真ん中浴槽、周囲に洗い場タイプ。
上北地方ではめったに見ないタイプなので驚いた。
しかしそれ以上に驚いたのが、洗い場のシャワーが冷たいこと。
たまたまなのかもしれないが、30度ほどの水が出てきた。
しばらくしても大して変わらなかった。
周りのお客さんは我慢して浴びてるのかすごく気になった。
シャワーは断念して、蛇口のお湯で身を清めることに。
浴槽は弱食塩泉と単純泉の2種類が同等の温度で湯量豊富に湧き出ている。
どちらも40度ほどの少し温めになっていた。
浴槽内は3段構造になっており、好みの深さでの入浴が可能。
弱食塩泉は傷口にピリリと染みる。心地いい。
この温泉で特徴的なのは水風呂に弱食塩泉を使用していること。
源泉温度が32度とのことなので、源泉をそのまま使用しているのかもしれない。
私が訪れた日は小雨が降る晩秋だったので、水風呂には入る気にはなれず。
建物や設備のところどころにガタがきているように見えるが、お湯は現役そのものである。
300円でこのクオリティならば、少々家から遠いが再訪もしたいと思う。

2015年11月8日日曜日

九州地方の都市雇用圏(2010年基準)

九州地方の都市雇用圏(2010年基準)|地理・地形・地名についての備忘録
 東北地方・新潟の都市雇用圏(2010年基準)に続いて、九州地方の都市雇用圏について見ていきたいと思う。ここでの「九州地方」とは福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県を指す。個人的には沖縄県を含めた九州地方という区割りに大変違和感を覚える。一つの地方としてのまとまりが沖縄県を入れてしまうと崩れてしまうからである。北海道と東北を一括りにするようなものである。地方行政機関や地方予選大会の区割りでは人口のバランスを取るために仕方ないとして、地理の話をする際には”沖縄抜き”で九州地方を考えたいと思う。ちなみに、私が東北と新潟を一つの括りにしているのは、一般電気事業者の区割り(北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄電力)を参考にしているからである。東北電力は東北6県と新潟県を営業エリアとしている。地域区分を考える際に、新潟の扱いはどの都道府県よりも難しい。この件についてはまたの機会にしたい。

 まずは2010年時点での大都市雇用圏を整理した表を参照してほしい。



  7県で15都市圏が設定されている。各県毎にまとめてみる。

    福岡県:北九州都市圏(1,370,169人)、福岡都市圏(2,495,552人)、大牟田都市圏(246,849人)、久留米都市圏(432,441人)、飯塚都市圏(196,546人)
    佐賀県:佐賀都市圏(405,062人)
    長崎県:長崎都市圏(803,828人)、佐世保都市圏(304,578人)
    熊本県:熊本都市圏(1,102,398人)、八代都市圏(144,981人)
    大分県:大分都市圏(743,323人)
    宮崎県:宮崎都市圏(506,332人)、都城都市圏(243,623人)、延岡都市圏(131,182人)
    鹿児島県:鹿児島都市圏(731,477人)

  都市雇用圏内人口の順番で並べたのが次である。
    
    ①福岡都市圏(2,495,552人)
    ②北九州都市圏(1,370,169人)
    ③熊本都市圏(1,102,398人)
    ④長崎都市圏(803,828人)
    ⑤大分都市圏(743,323人)
    ⑥鹿児島都市圏(731,477人)
    ⑦宮崎都市圏(506,332人)
    ⑧久留米都市圏(432,441人)
    ⑨佐賀都市圏(405,062人)
    ⑩佐世保都市圏(304,578人)
    ⑪大牟田都市圏(246,849人)
    ⑫都城都市圏(243,623人)
    ⑬飯塚都市圏(196,546人)
    ⑭八代都市圏(144,981人)
    ⑮延岡都市圏(131,182人)
   
   東北・新潟に比べて、上位層の厚いラインナップになっているように感じる。熊本都市圏が100万人超えしていることに驚いた。東北・新潟の場合は新潟の107万人の次点が郡山の55万人であったが、九州では長崎、大分、鹿児島がしっかりと脇を固めて構えている。それぞれ九州の中では西端、東端、南端に位置しており、分布も理想的である。また、福岡市を中心とした100km圏内に、北九州、熊本、久留米、佐賀、佐世保、大牟田、飯塚と、都市圏が軒を連ねている。これらの都市圏内人口を合わせただけでも600万人に達し、福岡都市圏はその圏内人口以上に力強い後背地を控えていると言えよう。

奄美大島の果物移動制限の報道を聞いて

奄美大島の果物移動制限の報道を聞いて|地理・地形・地名についての備忘録
    奄美大島の果物の移動制限へ 病害虫のハエ蔓延防止(産経新聞)

 害虫であるミカンコミバエは奄美大島では根絶されたはずであったが、今年に入ってから個体が多く発見されており、防疫の観点から、島外への作物移出が制限されるとのニュースである。大学生の時に触れた、「ミカンコミバエ」「根絶」という沖縄農業のキーワードが久々に思い返された。

 ミカンコミバエは東南アジア原産の、果物を宿主とする虫で、卵を果皮に生み込み、幼虫は果実を餌にして成長する。当然、ミカンコミバエに利用された果物は商品価値が大幅に低下する。果物栽培をする農家にとっては天敵ともいえる害虫である。熱帯、亜熱帯地方で生息する虫であり、日本国内においては西南諸島、小笠原諸島で確認されていた。

 ミカンコミバエやウリミバエ(ウリ科植物を宿主とする)が根絶計画が出されたのは沖縄が本土復帰した1972年のことである。方法はオスを誘因する化学物質と殺虫剤を用いて、オスを根絶やしにする「雄除去法」が1つ。合わせて、野良猫の繁殖を抑えるために去勢するのと同様の方法で、人工的に繁殖できなくしたメスを放して子孫を減らす「不妊虫放飼法」の2つの方法が採られた。西南諸島でミカンコミバエが根絶宣言されたのは1986年である。 ウリミバエについては「不妊虫放飼法」が採用され、1993年に西南諸島から根絶されている。この度、奄美大島で発見されたミカンコミバエは東南アジアから新たに飛来した個体が繁殖したものと見られるとのこと。

 植物防疫法により、ミカンコミバエやウリミバエ等の害虫が発生した地域からの寄生植物の移動が禁止されている。ミカンコミバエ、ウリミバエの生息により、西南諸島、小笠原諸島からの野菜、果物の多くが移出できない状態が大正期以降長らく続いていた。沖縄農業がつい最近に至るまでサトウキビ作に傾倒していたのはこのことも一因となっている。ミカンコミバエは柑橘類全般、パパイヤ、マンゴー等が、ウリミバエはウリ科植物に寄生する為にゴーヤーは勿論のこと、パパイヤ、マンゴー、ドラゴンフルーツ等が移出できない作物であった(加工品は移出できた)。害虫を根絶したことで、西南諸島、小笠原諸島の農業の作物多様化が進んだのである(宮古・八重山群島はサトウキビ、肉用牛に傾倒したままではあるが)。

 奄美大島でのミカンコミバエの再発生は驚きではあるが、これまで培った防除技術を以てすれば 、すぐにでも再根絶できると思われる。移出制限期間の農家への補償が気がかりではある。


《参考資料》
沖縄県病害虫防除技術センター
国立研究開発法人 国立環境研究所 侵入生物データベース

 

2015年11月7日土曜日

東北地方・新潟の都市雇用圏(2010年基準)

東北地方・新潟の都市雇用圏(2010年基準)|地理・地形・地名についての備忘録
 「都市圏」という経済地理学の概念がある。
ある都市を中心にして、経済的・文化的にその都市に依存する郊外を含めて1つの圏域と見なす概念である。
「東京大都市圏」、「三大都市圏(東京・名古屋・大阪)」などは小学校でも習うはずである。
日本で生活する人であれば、この概念はすんなりと理解できると思われる。
「都市圏」の設定基準に使われる指標は様々である。
通勤者の移動範囲や医療サービスの享受範囲、買い物の行動範囲などが主に用いられる。

 東京大学名誉教授の金本良嗣氏は、「都市圏」への1つのアプローチとして「都市雇用圏」を提唱した。
複雑な定義があるのだが、要約すると以下の通りである。

  ―5000人以上の集住を有する市町村を「中心都市」とし、中心都市への通勤率(=中心都市への通勤者/定住就業者数)が10%以上の市町村を「郊外」とする。

通勤者の移動を基に圏域が設けられている為、地域の労働の拠点である中心都市と労働者を抱える郊外との関係を地理学的に分析するために用いられる。
なお、 中心都市の集住人口が5万人以上だと「大都市雇用圏」、5万人未満であれば「小都市雇用圏」として分類している。
詳しくは金本先生解説サイトWikipediaを参照してほしい。

 
 今回は私の興味の範囲である東北地方・新潟県に絞って都市雇用圏について考えていきたい。
まずは2010年時点での大都市雇用圏を整理した表を参照してほしい。
(画像のみ表示し、拡大してほしい)



東北地方+新潟には2010年現在で18の都市雇用圏が形成されている。
それらを中心都市名を用いて「○○都市圏」と呼ぶとすれば、県毎に以下のようにまとめられる。
なお、カッコ内は都市雇用圏内人口である。

  青森県:青森都市圏(313,097人)、弘前都市圏(305,342人)、八戸都市圏(335,854人)
  岩手県:盛岡都市圏(474,395人)
  宮城県:仙台都市圏(1,574,942人)、石巻都市圏(213,780人)
  秋田県:秋田都市圏(412,968人)
  山形県:山形都市圏(544,518人)、鶴岡都市圏(144,354人)、酒田都市圏(149,789人)
  福島県:福島都市圏(456,996人)、会津若松都市圏(232,992人)、郡山都市圏(554,194人)、いわき都市圏(347,667人)
  新潟県:新潟都市圏(1,073,098人)、長岡都市圏(368,043人)、三条・燕都市圏(222,512人)、上越都市圏(239,356人)
   ※三条・燕都市圏は三条市・燕市両市を中心都市としている。

都市雇用圏内人口の順番で並べたのが以下である。

  ①仙台都市圏(1,574,942人)
  ②新潟都市圏(1,073,098人)
  ③郡山都市圏(554,194人)
  ④山形都市圏(544,518人)
  ⑤盛岡都市圏(474,395人)
  ⑥福島都市圏(456,996人)
  ⑦秋田都市圏(412,968人)
  ⑧長岡都市圏(368,043人)
  ⑨いわき都市圏(347,667人)
  ⑩八戸都市圏(335,854人)
  ⑪青森都市圏(313,097人)
  ⑫弘前都市圏(305,342人)
  ⑬上越都市圏(239,356人)
  ⑭会津若松都市圏(232,992人)
  ⑮三条・燕都市圏(222,512人)
  ⑯石巻都市圏(213,780人)
  ⑰酒田都市圏(149,789人)
  ⑱鶴岡都市圏(144,354人)

やはり仙台が頭一つ抜けており、その後ろに新潟が、それ以下は郡山を例外として県庁所在地が続いている。
市単位では人口規模が小さい山形市(254,244人)や会津若松市(126,220人)が、都市雇用圏の括りで見れば、意外と圏内人口が多いように思える。
一方、福島県内最大人口のいわき市(342,249人)は都市雇用圏では郡山と福島に及んでいない。
都市雇用圏内人口の順位は我々が漠然と抱く「街の規模」のイメージにかなり近い順番になっていると私は感じている。
後背にある人口が多いほど、「街の規模」が大きくなるのは誰もが理解できると思う。
都市について議論する際に、市町村単位での小さい視点ではなく、都市雇用圏に限らず、都市圏に主眼を置くべきであることは明らかであろう。
しかし、都市圏を以てしてでも正確な都市の実態把握には限界がある。
都市圏の設定にも統計資料の関係から市町村単位の人口等の数値を用いる他ないのである。
都市研究の発展には、より確実な都市圏設定が必要になるだろう。
今後の研究成果に期待したい。

各都市圏についての詳細は今後の記事で扱う事にする。

《参考資料》
・「都市雇用圏-Urban Employment Area-」, 2015.11.3閲覧

2015年11月5日木曜日

蕪島神社の火災について

蕪島神社の火災について|地理・地形・地名についての備忘録

 八戸の象徴的な存在である蕪島神社の社殿が本日未明に全焼した。
火の気のない場所であることから、放火の疑いもあるとのこと。
私の車には蕪島神社の交通安全のお守りを今年からぶら下げている。
初夏のウミネコの大群にはいつ行っても驚かされる。
何度も足を運んで思い入れもあったために、残念でならない。
もし仮に放火であるとすれば、許しがたい行為である。
神社とは本来、氏子は勿論のこと、地域の拠り所として機能してきた場である。
正月には参詣し、夏には祭りが開かれる。
その中心にある社殿が燃えてしまったことに、地元への影響は心理的な部分を含め相当なものであろう。
蕪島の場合は八戸随一の観光スポットとしての役割もあり、休憩所が今年開設された矢先である。
原因が何であれ、過ぎてしまったことはもうどうしようもない。
蕪島神社の再生に少しでも力になりたいと思ったところである。

2015年11月2日月曜日

愛すべきコンビニ、オレンジハート

愛すべきコンビニ、オレンジハート|地理・地形・地名についての備忘録


 オレンジハートというコンビニチェーンを知っているだろうか。
私の知る限りだと青森県の上十三地域(上北郡、十和田市、三沢市)でしか見たことがない。
ホームページもない謎に包まれたローカルチェーンである。通称オレハ。
各店舗に経営方針の決定を委ねているようで、店舗によりこだわりや個性が垣間見える。
ローカルで個性的であれば、それはもう私の大好物である。

 私がよく行くオレハは国道45号線沿いの六戸バイパス店。
決して綺麗な店とは言えないが、どこか愛らしく昔懐かしい印象を覚える。
最大の特徴は惣菜の豊富さにある。
しかも店内で調理されたものばかりである。
売り場の半分は厨房で作られたおにぎり、パン、おかずで占められており、午前中には調理場から次々とできたてのそれらが運び込まれる光景が見られる。
おにぎりとパンのサイズは大きく、値段はそれでもお手頃である。
家族経営と思われる当店だからこそだろう。

私がよく購入するのが「手作りクレープ」。
チョコやいちごなど合わせて10種類ほどのラインナップがあるクレープ。
小麦粉生地にクリームと各種具材がたっぷり詰まっている。

ドライブで疲れた時にふと寄りたいコンビニである。


オレンジハート六戸バイパス店
営業時間:5:30~21:00
駐車場:あり



2015年11月1日日曜日

木崎野温泉(三沢市)

木崎野温泉(三沢市)|地理・地形・地名についての備忘録




※2015.10時点の情報

住所:三沢市東町3丁目6-2
電話:0176-53-8700
営業時間:5:00~22:00
駐車場:あり(100台ほど)
泉質:アルカリ性単純泉
浴槽:大浴場1つ
サウナ:あり(1つ)
露天風呂:なし
水風呂:あり
かけ湯:あり
打たせ湯:あり
寝湯:なし
浴場内の寝っころがりスペース:あるといえばある
貴重品ロッカー:100円
シャワー:固定型湯温調整不可
蛇口:温・冷2本
ケロリン:ではない

メモ:
ぬるぬる系の温泉が多い上十三地域の中でも抜群のぬるぬる度(=pHの高さ)と湯量の豊富さに感動して、幾度となく通っている温泉。
シャワーからはぬるぬるの源泉入り、もしくは源泉そのままの湯が放出される。
浴槽の湯温やサウナの温度が時々で大きく違う気がするが、それもご愛嬌。
基本的に温めに感じる。
シャワーの台数が多く、他のお客さんと隣り合うことはないと思われる。
休憩処も広く、畳エリアも6畳ばかりあり快適に過ごせる。
番頭さんがこまめに館内を清掃していて清潔に保たれている。
ステンドグラス風のガラス窓のある洋風な外観は一見の価値あり。

2015年10月28日水曜日

三沢市の納屋集落群(1)

三沢市の納屋集落群(1)|地理・地形・地名についての備忘録
 
 三沢市の太平洋岸には間隔を置いて集落が点在している。
北から天ヶ森、砂森、塩釜、織笠、六川目、細谷、淋代、五川目、四川目、鹿中、三川目があり、おいらせ町の二川目、一川目と続く。
これらの集落は江戸期に地曳網漁を営むための納屋(漁を行うための小屋)が設置され、季節的な居住が発生した後に、漁民が定住化した納屋集落と呼ばれるものである。
いずれも小さな沢が海に流れ込む場所に家屋が建てられている。
各集落の定住が始まった詳しい時期は不明であるが、「川目」の数字の順に南から定住化が起こったことが地名から想起される。
なお、天ヶ森と砂森は航空自衛隊・在日米軍の天ヶ森対地射爆場の、四川目と五川目は三沢基地の騒音問題で集団移転しており、現在は無人となっている。
当地を含む八戸市鮫から六ヶ所村泊の間は、淋代海岸なる砂浜海岸が広がっている。
八戸湊の北に位置することからか、通称で「北浜」と呼ばれている土地である。

 地曳網漁ではイワシを主に採っていたらしい。
豊富な資源量を活かし、窒素質肥料である鰯〆粕の生産を行なっていた。
夏でも寒風が吹き荒れる当地においては、食糧生産における重要な意義を背負っていたのだろう。
イワシ漁は次第に活気を帯び、江戸から明治に時代が移る頃に最盛期を迎えていた。
漁村的性格の強かった北浜の納屋集落群が転機を迎えさせられるイベントが1896(明治29)年に発生した。
明治三陸大津波である。
漁撈を生業としていた集落群は作業の効率性から海岸線に極めて近い位置に住居を構えていたため、津波により壊滅的な被害を受けた。
当地で定住が営まれてから初めての大津波であるため、対策は為されていなかったと思われる。
津波高が大幅に上がるリアス式海岸の湾内とともに、津波の影響を強く受けてしまうのは納屋集落の宿命とも言える。
納屋集落の代表例としてよく取り上げられる千葉県の九十九里浜についても、津波による壊滅被害を歴史に幾度と刻んできた。
明治三陸大津波を機に、海岸線の後背にある微高地へと集落が後退した。
大正期にかけて、漁獲高が徐々に減少していくにつれ、漁業一辺倒であった北浜の納屋集落群は半農半漁の様相を呈するようになる。
集落の後退は、津波被害からの回避が主因であったが、副次的に畑作適地である火山灰土の台地への接近に向かわせた。
稲作文化の日本において、畑作に適していようとも台地は人間の生活が営まれる空間になり難かった。
台地が卓越する青森県東部はかつて人口希薄な土地であった。
納屋集落の漁民が新たに家屋を置く土地、また畑作を営む土地はその背後に無限のように広がっていたのである。

 季節的な漁撈を目的とする納屋(小屋)群が、次第に豊富な漁獲高を背景に定住漁村へと姿を変え、津波襲来による家屋の移動で漁業だけではなく農業にも収入の糧を見出す集落へと変貌していくまでを記してみた。

 明治から現在に至るまでは、別稿に記したいと思う。

<参考資料>
『角川日本地名大辞典 2 青森県』, 昭和60年, 「角川日本地名大辞典」編纂委員会, 角川書店
三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」, <http://d.hatena.ne.jp/meiji-kenchikushi/>, 2015.10.28閲覧