2015年12月5日土曜日

青森県のスーパーマーケットの立地



 青森県に住み始めて2年目の冬となった。県内を車で出歩くことが好きな私は、南部津軽下北を問わずに様々な町並みを見てきた。ドライブをしながらふと思っていたのは、スーパーマーケットを展開するチェーンの地域性である。津軽に行けば南部ではあまりないさとちょうが見え、下北に行けばどの町にもマエダがあるといった具合である。各チェーンの店舗立地を地図に落としてみたいと思いつき、地図化してみた。店舗のデータはiタウンぺ―ジでスーパーマーケットに分類されていたものを収集した。

 上の地図には青森県内にスーパーマーケット店舗数上位4社の店舗立地を示している。上位4社とは以下の通りである。マックスバリュやザ・ビッグのブランドを全国に展開しているイオン以外は青森県を地盤とするローカル勢が健闘している。
  
  ユニバース(35店舗)
  イオン(30店舗)
  マエダ(21店舗)
  佐藤長(21店舗)

 それぞれのチェーンを細かく見ていきたい。なお、文中の地域区分は下の図による。

http://aomori-ritti-guide.jp/06_bukken/image/map.gif


商号:株式会社ユニバース
店舗数:54店(青森・岩手・秋田)
青森県内店舗:34店(三八12店、中弘南黒8店、東青7店、上十三6店、西北五1店、下北1店)
本社:青森県八戸市大字長苗代字前田83-1
ブランド:ユニバース、Uマート、パワーズU
ホームページ:http://www.universe.co.jp/ 

青森県下最大のスーパーマーケットチェーンである。県内の店舗立地は三八地域が最多であるが、人口の多い中弘南黒、東青にも着実に地盤を形成している。県内全地方に立地しているのは特記すべき点であろう。また、青森、八戸、弘前、十和田、三沢、むつ、五所川原、黒石の八大都市(平成の大合併前に市制)に全て店舗を置いている。県民誰もが一度は目にしたことのあるスーパーと言える。創業の地であり且つ本社所在地の八戸市には市町村別で最多の10店が立地している。2011年に北海道最大のスーパーマーケットチェーンであるアークスの傘下に入った。アークスは岩手のジョイスやベルプラスをも子会社化し、北海道・北東北最大のスーパーチェーンへと成長している。なお、県内ではマエダと共にCGCグループに加盟している。ちなみに三沢市民の私は松園町店と三沢堀口店を頻繁に利用している。


商号:イオンリテール株式会社、マックスバリュ東北株式会社、イオンスーパーセンター株式会社
店舗数:545店(イオンリテール公式サイトの表記)
青森県内店舗:30店(中弘南黒8店、東青7店、上十三7店、西北五5店、三八3店)
本社:千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1(イオンリテール株式会社)
ブランド:イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ等
ホームページ:http://www.aeonretail.jp/index.htmlhttp://www.aeonretail.jp/index.htmlhttp://www.aeonsupercenter.co.jp/

言わずと知れた日本最大の小売企業群のイオングループである。日本全国津々浦々に店舗を展開するイオングループは、やはり青森においても大きな存在感を放っている。下田、つがる柏のイオンモール、青森のサンロードなど大規模商業施設の核テナントもあれば、食品専科のマックスバリュもあり、幅広い店舗展開となっている。王者のイオングループも下北エリアに進出していないのは驚きである。下北に流通網を構築するには後発過ぎたのかもしれない。

商号:株式会社マエダ
店舗数:27店
青森県内店舗:27店(下北8店、東青7店、上十三6店、西北五5店,、三八1店)
本社:青森県むつ市小川町2丁目4番8号
ブランド:マエダ、マエダストア、生鮮館
ホームページ:http://www.i-maeda.co.jp/

下北発祥のスーパーマーケットで、青森県内にのみ店舗を置く青森密着型の経営が店舗立地から見て取れる。なかでも下北半島では、マエダが8店、さとちょうが2店舗、ユニバースが1店舗と独占状態である。むつではマエダ本店が百貨店のような役割を持ち、商業の中心として機能している。既存の小売企業を吸収しながら、津軽、上十三方面にも営業エリアを広げている。店舗数で下北地域と東青地域では1店しか差がないのは特記すべきであろう。他の小売チェーンの流通網から外れている下北地域で早い段階から確かな地盤を築き上げ、じわりじわりと他地域へ進出しているように見える。県内で唯一未進出の中弘南黒地域への出店も今後見られるかもしれない。また、本店(むつ市)、川内店(むつ市川内)、木造店(つがる市木造)の3店では、無料の買い物バスを運行し、高齢化著しい青森県の中でのビジネスモデルを模索している。
商号:株式会社佐藤長
店舗数:21店
青森県内店舗:21店(中弘南黒13店、西北五4店、下北2店、東青1店、上十三1店)
本社:青森県弘前市大字松森町93
ブランド:さとちょう
ホームページ:http://satoucho.co.jp/index.html 

津軽地方に特化したチェーンである。弘前市で創業した後、イオン資本のウェルスーパーの津軽地方の店舗を譲り受け、事業を拡大してきた。弘前・五所川原を中心に事業を行なってきたが、2011年にむつ市に2店舗、2015年に上北郡七戸町に1店舗を飛び地のように出店している。次の新店舗も南部側になるのか、今後の展望が気になる。なお、東青地域の1店舗は旧南津軽郡浪岡町内であり、実質中弘南黒は14店とカウントしても良いだろう。

上述のようにチェーン毎にまとめてみると、各チェーンの特徴が掴めるだろう。外資系(青森県外という意味で)のイオンは県内の地域に偏りなく立地が見られる。その他のローカルチェーンは本社所在地を中心としながらも、他の地域に積極的に進出している様子が見て取れる。しかし、それでも各地域内での地盤は従来チェーンが強固であり、南部のユニバース、津軽のさとちょう、下北のマエダが強く、青森市では各チェーンが激しく競い合っているように見える。
青森県のスーパーマーケットの立地|地理・地形・地名についての備忘録


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