2015年12月27日日曜日

勝手に区名改変―札幌市編


札幌市は現在10区から形成されている。
東西南北・中央の方角区名と、手稲・白石・厚別・豊平・清田の中心地名区名がある。
完全に私の趣味であるが、より生活実態に即した区名を追い求め、考えていきたい。

http://www.jamgis.jp/jam_sapporo/jsp/lite/image/index_sapporo_1.png
 (札幌市都市計画情報提供サービスより)



中央区

大通公園やすすきのが立地する名実ともに札幌の中央に君臨する区である。また、大倉山・宮の森のジャンプ競技場や、ばんけいスキー場、ノベルマウンテンパーク(旧コバランドスキー場)のある森林地帯も有する。スキーができる中央区(Central ward)は世界的にも札幌にしかなさそうである。「中央区」という区名は札幌のほかにも、さいたま、東京、千葉、相模原、新潟、大阪、神戸、福岡、熊本にあり、ありがちな区名である。正直なところ、中央区以外に候補がないが、あえて改変するとすれば「大通区」がふさわしいだろう。しかし、中央区の南半分を占める旧山鼻村域を無視した区名であるため、住民から不満が出るに違いない。

西区

札幌市西部の商業地である琴似に区役所を置き、発寒の工業団地や西野・平和・福井の郊外住宅地を区域に含む。改変区名はやはり「琴似区」しかありえない。札幌市内で最初に屯田兵村が置かれた琴似は歴史的に重要な地名である。かつて地下鉄東西線の終点であった頃に比べ、東西線宮の沢延伸後は琴似の拠点性は小さくなってしまったが、それでも区内全域からバス路線が地下鉄琴似駅まで設定され、JR琴似駅周辺の開発が盛んに進められている現状は軽視できない。札幌市郊外では数少ない商店街が形成されているのもここでは考慮したい。地下鉄琴似駅とJR琴似駅は1km弱離れており、その間は大変賑やかな商店街となっている。保護を訴えるだけの役割を終えた商店街などではまるでなく、勢いのある必要とされる商店街である。ところで、16連射の高橋名人(琴似出身)がいつ名誉区民になるかは私のかすかな関心事である。

北区

札幌の表玄関である札幌駅は北区に位置する。中央区との境界はJR函館線の南側に沿って走っており、東区との境界は創成川に沿っている。北○条西○丁目の大半が北区である。北24条と麻生が中心市街地で、新琴似・新川・篠路・屯田、さらに札幌北端のニュータウンであるあいの里までが区域であり、一般のイメージより区域が広いと思われる。八軒と太平を除いたJR学園都市線とさっぽろ以北の地下鉄南北線の利用範囲が北区と定義できよう。なお、北海道大学は北区に属する。広い区域のためにやはり北区が最適な区名と思われるが、私は「麻生区」「篠路区」を提案したい。麻生は製麻工場が置かれた地である事に由来し、地下鉄南北線の終点もあり、よく知られた地名である。区内各方面へのバスが発着し、石狩市への玄関口へもあり、大変栄えている。篠路神社が置かれる篠路地区は今でこそ郊外住宅地としての性格が強いが、江戸期には交易場所のシノロ場所が置かれ、明治維新後も篠路村として中心性が強かった。

東区

JR苗穂工場、丘珠空港、札幌運輸支局があり、交通関係施設が多く存在する。野外芸術で注目されているモエレ沼公園も東区である。実は東区域は旧札幌村域とほぼ一致している。「札幌」地名発祥の地である。北13条東16丁目付近(地下鉄環状通東駅付近)が札幌村の中心であったようである。なお、地名の発祥はこちらであるが、開拓の中心は現在の中央区大通地区であり、地名を盗られたかたちになっている。改変区名は「札幌区」「伏古(伏籠)区」を挙げたい。東区には札幌村開拓の歴史と共にあった伏古(伏籠)川が流れており、それを区名に付けることで単なる方角地名では拾いきれない地域の歴史を区名に託すことができる。川の流れは偉大なのである。

南区

1972年の札幌五輪の競技場や選手村などの関連施設が集中しているのが南区である。地下鉄南北線の終点、真駒内駅付近が区の中心で、川沿や藤野にも商業施設の集積が見られる。定山渓温泉も豊平峡ダムも中山峠も芸術の森も空沼岳も滝野すずらん丘陵公園も南区に属する。札幌の区では面積が飛び抜けているのが特徴的である。南北線の駅では澄川、自衛隊前、真駒内が南区である。区域は豊平川水系の上流部と捉えてよいだろう。南区から区名を変えるとすれば「豊平川区」しかないと思う。川沿・真駒内・石山・藤野・簾舞・定山渓と豊平川沿いに街が連なる様は「豊平川区」の名にふさわしい。ただし、紛らわしいことに、「豊平区」が現実には南区の北東に別にある。そのため、次点で「真駒内区」を挙げたいが、これはインパクトに欠けてしまう。

豊平区

札幌市の南東部、中央区と豊平川を境に接するのが豊平区である。トヨヒラの名はアイヌ語の「トイエ・ビラ」(崩れた・崖)に由来する。崖を意味する「ビラ」に漢字の「平」が当てられてしまったのはアイヌ語と日本語の乖離を示しているようで興味深い。豊平川右岸の河成段丘に位置する。1961年まで存在した旧豊平町の町域東半分が区域である。豊平の国道36号線沿いと地下鉄駅のある平岸・福住に商業施設が多く立地する。中央区外に唯一本社を置くテレビ局、HBCは地下鉄南平岸駅前に位置し、隣接する平岸高台公園はテレビ撮影で使用され、道外でもそれなりに知られている。札幌ドームも豊平区である。千歳新道の開通後に発展してきた国道36号線沿いの豊平地区(地下鉄東豊線エリア)と、地下鉄南北線の開通後宅地化が急速に進んだ平岸地区(地下鉄南北線エリア)で二分されているように見える。旧豊平町は豊平村・平岸村・月寒村が合併してできた町であった。その後、札幌市豊平区となった現在に至るまで、平岸・月寒の名は町丁名に留まっている。区名の代替案としては「羊ケ丘区」、これしかないだろう。羊ケ丘展望台は豊平区内にあり、区内南東部の広大な敷地に置かれる北海道農業研究センターを望む風景とクラーク像はあまりにも有名である。これといった中心地をもたない豊平区は旧村名の豊平・平岸・月寒を使わずに、「羊ケ丘」を使えば良いのである。なお、「羊ケ丘」の「ケ」は大文字(カタカナのケ)が正しい表記である。

手稲区、清田区、厚別区、白石区については、適切な区名が思い付かないので割愛する。

勝手に区名改変―札幌市編

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