2016年のゴールデンウィークは暦上では最大3連休のみで、遠出をするには身動きが取りにくい。職場の休暇取り合い戦争に敗れてしまったので、おとなしく近場で過ごす事にしようと思う。個人的には、冬が明けて雪が解けたら山に行きたいと思っていた。連休のどこかで軽いハイキングに行こうと考えているが、合わせて鉱山ないしは鉱山跡巡りを敢行したい。北東北は鉱山の宝庫である。以前に北東北最大級の小坂鉱山跡の資料館を見学したことがある。最盛期には秋田市に劣らない程の繁栄を誇ったかつての小坂町の姿を追憶させられた。
1.田老鉱山跡(岩手県宮古市(旧田老町))
起伏の激しい三陸海岸の山あいに位置する、かつて硫化鉱を産出した鉱山である。沖縄県の沖大東島を起源とするラサ工業が1919年から1971年にかけて経営していた。選鉱所跡が現在でも綺麗に残るとして廃墟マニアでは知られた存在である。2000人規模の鉱山町が築かれていたようである。
(写真はhttp://cutlass.qee.jp/hikyo/12/12.htmlより)
2.上北鉱山跡(青森県七戸町(旧天間林村))
硫化鉄と銅を産出した鉱山で、青森と七戸を結ぶ国道4号線の短絡路「みちのく有料道路」の山側に位置する。1940年から1973年の33年の短い操業期間であるが、戦中戦後の時期に豊富な銅の産出量があったことから「神風鉱山」と称された。こちらは最盛期に5000人程度の人口を抱えていた。進入路は国道4号線の七戸側と八甲田の田代平湿原側があり、八甲田のトレッキングとセットで訪れるのも良いかもしれない。ちなみに、冬は日本有数の豪雪地帯となり、深く閉ざされる。
(写真はhttp://haikyo.crap.jp/s/283.htmlより)
3.松尾鉱山跡(岩手県八幡平市(旧松尾村))
北東北の鉱山を語る上で、「東洋一の硫黄鉱山」として名を馳せた松尾鉱山を忘れてはいけない。廃鉱山ブームと火付け役とも言える存在で、1万人規模で大規模団地が形成された全盛期は鉱山町というよりは鉱山都市と呼ぶ方がふさわしいだろう。閉山した現在でも八幡平のメイン道路であるアスピーテラインから容易にアクセスできる。八幡平のハイキングと合わせて訪れたい鉱山跡である。
(写真はhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E9%89%B1%E5%B1%B1より)
4.尾去沢鉱山跡(秋田県鹿角市)
奈良時代から銅鉱床の存在が知られていたとの文献が残るほど歴史のある鉱山である。 なんと東大寺の大仏に尾去沢の金が使われたとの説もある。資料館や見学用の坑道が整備され、観光地化されている点が上の3鉱山とは異なる。鹿角地域では尾去沢鉱山跡、小坂鉱山跡、大湯環状列石、十和田湖が観光の目玉である。松尾鉱山跡から八幡平を越えた先にあり、一緒に訪問したい。仕事仲間が大館にいたために、秋田県北には足繁く通ったが、尾去沢鉱山跡はノータッチであった。
(画像はhttp://www.osarizawa.jp/より)
5.八戸鉱山(青森県八戸市)
日鉄鉱業系の八戸鉱山株式会社が現在も操業を続けている現役の鉱山である。石灰石は日本が唯一自給し
ているとも言える鉱物であり、今日も北海道から沖縄まで至る所でガリガリと採掘が行なわれている。そんな石灰石鉱山のなかでも八戸鉱山は「日本一」を有す
る鉱山として、ある方面では有名である。露天掘りで石灰石を掘り進めていった結果、「日本一標高が低い地上の地点」となってしまった。最深部の標高は-約
170m。日本一星が遠く見える場所と言えば少しはロマンチックに聞こえるかもしれない。
(写真はhttp://portal.nifty.com/kiji/111021149088_1.htmより)